クリスチャン・ブラックショウ

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カーゾンの愛弟子、クリスチャン・ブラックショウ

 繊細かつ情熱的なピアニストであるクリスチャン・ブラックショーは、その演奏の比類なき音楽的才能で知られている。その演奏は強烈な情感と音楽に対する深い理解を兼ね備えており、ロンドンの評論家は「純粋な音楽性と人間性の結合」と評している。

 「ピアニスト」誌はブラックショーの「シューベルト:ピアノソナタ第21番D.960」について、「この作品は多くのピアニストの名刺となっているが、ブラックショーの演奏は最もその名に恥じないものの一つだ」との評価を与えている。

 ブラックショーは、マンチェスター王立カレッジとロンドン王立アカデミーでゴードン・グリーンに師事した後、レニングラード・コンセルヴァトワールでモイセイ・ハルフィンに師事した最初の英国人ピアニストとなった。その後、ロンドンでサー・クリフォード・カーゾンに学び、多くの仕事を共にした。

 ブラックショーは、ソリストとして多くの著名な指揮者と世界各地の音楽祭で共演し、2013年に設立されたヘレンスミュージック・フェスティバルでは創設ディレクターを務めた。

ウィグモアホールで録音されたブラックショーの「モーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲集」全4巻は大好評を博し、評論家たちはこの「画期的」な録音について、「魅惑的」、「神秘的」、「マエストロ級」と賞賛している。同シリーズの第4巻は、ニューヨーク・タイムズ紙の「2015年のベスト・クラシックレコード」、グラモフォン誌の「最も偉大なモーツァルトのレコードトップ50」にも選ばれている。

 最近の注目公演としては、ベルリンフィルとの初共演、東京とオールドバラ音楽祭での初公演がある。また指揮者のヴァレリー・ゲルギエフに招聘され、サンクトペテルブルクの白夜祭でモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏会を行い、その後ロンドンに戻り、サウスバンク・センターで公演を行い、ウィグモアホールのアーティスト・イン・レジデンスを務めている。2019年から20年にかけて、モントリオールとフィラデルフィアでモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏会を行い、クラウス・ペーター・フロールが指揮するジュゼッペ・ヴェルディ・ミラノ交響楽団、ヤニック・ネゼ=セガンが指揮するフィラデルフィア管弦楽団との初共演を果たした。

   2019年の新年叙勲リストで、音楽への際立った貢献によりMBEを授与された。

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